この作品は裕福なユダヤ人銀行家カーン・ダンヴェールの妻から注文された。ダンヴェール家の娘たちの肖像画を複数制作したうちの1点である。(中略)彼が注文されて描いた肖像画にしては珍しく、イレーヌはこちらをみることなく、ものおもいにふけっているようである。そのことも彼女の美しさを引き立てるのに一役買っているのだろう。これほどまでも完成度の高い肖像画であるが、この作品のためにイレーヌがポーズを取ったのはたったの2回だったという。
賀川恭子著『ルノワール 光と色彩の画家』(角川文庫)より
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